Gグローブ賞が7年ぶりの高視聴率

ハリウッド外国人映画記者協会(HEPA)が映画・テレビ番組の優秀作品などを選ぶゴールデン・グローブ賞の発表・授賞式が112日、カリフォルニア州ビバリーヒルズで開催された。同受賞式の模様は地上波テレビNBCネットワークが全国向けに独占中継したが、ニールセン社の速報によると世帯視聴率は7年ぶりの14.1%を獲得、視聴者数は2090万人と過去10年間で最高の記録となった。

 

同授賞式は米国を代表する人気コメディー女優エイミー・ポーラーさんとティナ・フェイさんが昨年に続く二度目の司会者を務めたが、気の利いたセリフとジョークにさらに磨きがかかり息の合った進行ぶりを見せたことが大きく寄与した。

ところで、今回のゴールデン・グローブ賞が高視聴率を得たことで米テレビ界では受賞式中継番組を見直す機運が高まっている。昨シーズンを見ても、地上波テレビABCネットワークが放送したアカデミー賞が4040万人の視聴者数を獲得したほか、CBSネットワークのグラミー賞(米音楽会最高の栄誉)中継番組が2840万人の視聴者を魅了するなど、ちょっとした受賞式黄金時代となっている。デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)などを使ったオンデマンド視聴が急上昇するなかで、CM飛ばし視聴されない生番組ということで、広告主からもスポンサーしたい番組の筆頭格に挙げられている。その人気ぶりに独占放送権料も高騰中。ABCはアカデミー賞独占権に8年間推定5億㌦の権料を支払っているという。

さて、ゴールデン・グローブ賞はアカデミー賞の前哨戦とされているが、映画のドラマ部門には『12 Years A Slave (邦題:それでも夜は明ける)』が、ミュージカル・コメディー部門には『American Hustle(邦題:アメリカン・ハッスル)』がそれぞれ最優秀作品賞に選ばれた。外国語映画賞候補にノミネートされていた宮崎駿監督の長編アニメ『風たちぬ』は惜しくも受賞を逃した。

一方、テレビ番組では、連続ドラマ部門にケーブル局AMCの『ブレーキング・バッド』が、連続コメディー・ミュージカル部門には地上波テレビFoxネットワークが今シーズンスタートさせた『ブルックリン・ナインナイン』がそれぞれ最優秀作に選ばれた。ブレーキング・バッドは、がんで余命わずかと宣言された高校の化学教師が、家族に財産を残すために麻薬密造に手を染めていく様子を描いたもので米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞を昨年受賞している。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>