米国の国民的行事となっているNFL(米プロフットボール・リーグ)の王者決定戦「第48回スーパーボウルが2月2日、ニューヨーク市に隣接するニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで開催された。アメリカン・カンファレンス(AFC)の覇者デンバー・ブロンコスとナショナル・カンファレンス(NFC)の勝者シアトル・シーホークスが激突した決勝戦の模様は米地上波テレビFoxネットワークが全国向けに生中継(米東部時間午後6時半-9時55分)。ニールセン社によれば平均世帯視聴者数1億1220万人を獲得、米テレビ市場最高記録を樹立した。視聴率は46.4%、シェアは69%だった。
試合は開始早々からシーホークスの一方的なゲームとなる予想を覆す展開となったが、NFLきってのディフェンス力を誇るシーホークスとスター・クォーターバックを抱える攻撃型のブロンコスという好カードということもあって最後まで視聴者を引き付けた。人気アーティスト、ブルーノ・マーズなどが登場したハーフタイム・ショーが大好評だったことも貢献した。試合はシーホークスが43対8と大差をつけ初優勝を遂げた。
ところで、今年Foxが広告主に課した30秒CM料金は昨年比7%増となる平均400万㌦。米調査会社キャンター・メディアによれば、過去10年間でスーパーボウルCMは70%もの値上がりを示している。その天井知らずの値上がりぶりに、疑問符を投げかける意見もある。米経済誌「フォーブス」は、スーパーボウルが初めて開催された1967年時に比べ現在は費用対効果が84%も減少していることを挙げている。
同誌によれば、スーパーボウル第1回目(AFC/NFCリーグ別に開催)中継試合の30秒CMに課せられた額は平均27万9000㌦。当時の平均視聴者数は約5100万人で、広告費1㌦当たりが到達した視聴者は183人に相当するという。これに比べ昨年CBSネットワークが生中継したスーパーボウルは平均約1億900万人の視聴者を引き付けたがその時に30秒CM に課せられた料金は平均375万㌦。1㌦が獲得した視聴者数は29人と、CM効果が大幅に薄まった勘定だ。
しかし、メディアサイト「MediaPost」の調べでは、スーパーボウル・ファンの多くが広告主がターゲットにしている高額所得者であることを指摘、スーパーボウルCMの魅力を強調している。同サイトによれば03年時には年収10万㌦以上の視聴者は全体の14%だったのに対し、昨年は26.8%とほぼ倍増しているという。