メディアの巨人コムキャストが増収増益

CATV最大手でNBCユニバーサル(NBCU)などを傘下におく世界最大級のメディア・娯楽企業でもあるコムキャストはこのほど、20131012月期の決算を発表した。新規加入者数がプラスに転じた映像配信サービスや基幹ビジネスになりつつあるブロードバンド通信サービスが相変わらず好調だったことや、NBCU事業が大幅な改善を示したことなどから、純利益は前年同期比26%増となる191000万㌦、売上高も同6.2%増の1693000万㌦と、増収増益を記録した。

CATV事業では、ケーブル局送信や地上波テレビ局再送信などを行う映像配信サービスへの新規加入数が43,000世帯と、四半期ベースでは6年ぶりとなるプラスに転じたことが特筆される。昨年同期は7000万世帯減少した。コムキャストはデジタルケーブル化などインフラの改善が功を奏したと分析している。また、ブロードバンド・サービスへの新規加入者も同期379,000世帯と前年同期比11%増と好調だった。

 

 

CATV事業全体の売上高は前年同期比5.2%増となる107億㌦。

CATV事業全体の売上高は前年同期比5.2%増となる107億㌦。


NBCUを見ると、数々の有力専門チャンネルを抱えるケーブル局部門が相変わらず好調だったことに加え、カムバックぶりが鮮明の地上波テレビNBCネットワークも大きく寄与した。映画やテーマパーク部門も元気で売上高は前年同期比7.5%増の65億㌦。営業利益は同19.3%増となる97200万㌦と予想以上の好成績(コムキャストのブライアン・ロバーツCEO)となった。

 

ケーブル局部門は、オリジナル番組制作費などが嵩んだものの、ペイテレビ事業者(CATVや衛星放送など)から得る配信料収入が同7.8%増となったほか、広告収入も同4.3%増だったことなどから、売上高は前年同期比5.3%増の23億㌦。営業利益は同5.1%増となる74400万㌦だった。

 

NBCネットワークは久方ぶりにプライムタイム番組の視聴率が上昇していることなどから広告収入8.3%増につながったほか、ペイテレビからの再送信料収入も好調で、同部門売上高は前年同期比11.5%となる22億㌦とケーブル局部門に迫った。営業利益は同84%増となる11600万㌦。

 

映画部門は、アニメ映画『怪盗グルーのミニオン危機一髪:邦題』のヒットのおかげなどで売上高は4.9%増となる14億㌦。営業利益は一気に135%増となる18800万㌦。来場客が増えたテーマパーク部門の売上高は8.8%56600万㌦。営業利益は4.8%増の17500万㌦となった。

 

コムキャストの13年通期売上高は3.3%647億㌦。営業利益は同9.9%増の68億㌦を記録した。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>