CBS4Q決算絶好調・バイアコムも増益

米地上波テレビCBSネットワークやプレミアム・チャンネル「Showtime Networks」などを傘下に置く米メディア企業CBSコーポレーションの20131012月期決算は、放送外収入が大健闘し、純利益は前年同期比20%増となる47000万㌦と過去最高記録を達成。売上高も5.8%増となる39億㌦1000万㌦となった。

CBSネットワークなどの広告収入は前年同期比ほぼ横ばいだったが、人気番組の国内や海外市場、さらにはネットフリックスやアマゾンなどインターネット配信会社への番組販売がすこぶる好調だったほか、高視聴率を武器にペイテレビ事業者(CATV、衛星放送、電話会社)からの再送信料収入が増大、グループ全体に大きく寄与した。レスリー・ムンベスCEOは決算発表にあたり「急速な拡大を示している放送外収入が大きな要因となった」と強調した。特に再送信料収入については昨年の5億㌦から20年までに20億㌦と大幅増収するとの見方を披露した。

同時に発表した13年通期の売上高も放送外収入が堅調だったため前年度比8%増となる153億㌦。純利益は同19%増となる19億㌦に達した。CBSNFL(米プロフットボール・リーグ)との間に木曜夜に中継試合を放送する権利を獲得するなどプライムタイム編成のさらなる充実を図っている。

一方、映画製作とケーブル局運営を主な事業とするバイアコムの同期決算は、映画部門が不調だったものの、ケーブル局の業績が大幅に改善したことなどが寄与し、純利益は前年同期比16%増となる54700万㌦を記録した。売上高は前年同期比4%減と、ウォール街の大方の予想を若干下回る32億㌦だった。

好調だったケーブル局群からなる放送部門を見ると、一時は不振を脱しきれなかった子供向け専門局の老舗「ニコロデオン」がよみがえったほか、若者に人気の「MTV」や「コメディー・セントラル」などが好調で広告収入が上がったほか、ペイテレビからの配信料値上げも獲得、同部門の売上高は前年同期比6%増の255000万㌦。営業利益は同8%11億㌦だった。

全体の足を引っ張ったのがパラマウントを含む映画部門。同期には『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などヒット作があったが、封切った作品が少なかったことなどもあり、売上高は同30%減の68100万㌦だった。

 バイアコムとCBSコーポレーションは200512月に分離されたが、以降も米メディア王サムナー・レッドストン氏(90)が会長として両社をコントロールしている。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>