広告主成長株にサムスン 媒体はネット

米広告業界専門誌「アドバタイジング・エイジ」(以下、アドエイジ)はこのほど米マーケティング概況報告冊子2014年版を出版した。広告媒体の筆頭に相変わらずテレビがランクされているほか、急拡大する媒体としてインターネットが挙げられている。また、米国はもとより世界でもナンバーワンの広告主にはプロクター・アンド・ギャンブルが、そして急速に存在感を増している広告主には韓国のサムスン電子がリストアップされた。

大広告主ベスト25の筆頭は、洗剤や化粧品などの家庭用雑貨品を含む一般消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル社。12年の米国内広告支出額は前年比1.5%減少ながらも483000万㌦と万年一位の座を確保した。2位は自動車メーカーのGM306700万㌦。CATV最大手でメディア複合企業でもあるコムキャストが298900万㌦で3位、続いて4位には通信大手AT&T291000万㌦)、5位ベライゾン・コミュニケーションズ(238100万㌦)などと続いた。日本企業では唯一トヨタ自動車(20800万㌦)が10位にランクインしている。ちなみに、サムスンはトップ25入りは逃したものの、支出額は前年比58%増と、「最も急速に成長している広告主」に選ばれた。

媒体別の広告費を見ると、相変わらずテレビがトップで、14年に670億㌦に達すると予測。これにインターネット430億㌦が続き、3位には新聞が211億㌦、4位ラジオ(174億㌦)、5位雑誌(171億㌦)、そして6位には屋外・映画(91億㌦)の順になった。

12年時のテレビのシェアは38.8%だが、年々微減をつづけ16年には36.9%12年時には19%だったインターネットは16年には30.7%と急拡大するのが特筆される。新聞は15.5%から9.4%に。雑誌は11.2%から8.5%、ラジオは10.4%から9.2%に減少するが、屋外・映画は5.2%から5.3%とほぼ横ばいとなりそうだ。

一方、ネットワークテレビ向けの12年広告費を見ると、プライムタイム好調を続けるCBSネットワークの12年広告収入が前年比3%増となる644800万㌦。2位はプライムタイム編成が大幅なカムバックぶりをしているNBCが同46.7%増の615700万㌦。3位にはオーディション番組『アメリカン・アイドル』などの不調がたたって前年比4.2%494400万㌦となったFoxABCは前年比0.1%497700万㌦で4位となった。

ケーブル局ではスポーツ専門局のESPNが同11%増となる229000万㌦で2位のTNT142800万㌦)などに大きく水を開けトップにランクされている。

 <テレビ朝日アメリカ 北清>