マレーシア航空機に専門局が重点報道

マレーシアの首都クアラルンプールを出発直後消息を絶った北京行のマレーシア航空機をめぐる報道は米国でも大きな関心をもって報じられている。中でもニュース専門局は2週間以上がたった今も連日続報を伝えている。特にCNNは同報道により視聴率が通常の2倍以上になったことに勇気づけられるかたちで、終日にわたり総力態勢で臨んでいる。ここ数年視聴率競争でライバルのFoxニュース・チャンネル(FNC)(21世紀Fox傘下)やMSNBCNBCユニバーサル傘下)に大きく水を開けられているCNNは、事件・事後報道に定評があり、同事件報道を視聴者奪還のきっかけにしたい考えだ。

視聴率調査にあたるニールセン社によれば、マレーシア航空機が消息をたった38日の翌週の平均視聴者数(プライムタイム)はFNC2,010,000人と首位の座は揺るぎないが、CNN803,000人とMSNBC648,000人を上回った。

 

さて、同機をめぐる報道合戦を米市民はどのように捉えているのだろうか。米調査会社ピュー・リサーチ・センターによれば、ほぼ半数(48%)の人が「報道ぶりは適量」と受け止めていることが判明した。「過剰」と答えた人は33%、「少なすぎる」と答えた人は12%だった。また、44%の人が、同事件を現在一番関心のある事件として挙げており、ロシアのクリミア併合問題の15%に大きく差をつけている。

また、「マレーシア機事件報道を引き続き注意深く見続けている」と答えた女性は全体の45%と男性の32%を上回っているほか、「報道ぶりは適量」と答えた女性は54%と男性の42%を引き離しており、性別間で事件に対する関心度が異なることも分かった。

さらに、年齢別でみると、同事件報道を注意深く見ていると答えた5064歳層は42%65歳以上では50%に上ったのに対し、3049歳層では37%1829歳層になると26%と、若者の間では関心が低くいことが明らかになった。調査は320日から23日にわたり全国の1002人の成人を対象に実施された。

ところで、324日、ニューヨーク・タイムズ紙の電子版に「マレーシア政府がジェット機は海中に沈んだと発表」と題する記事が掲載されたが、その真上に海中を描くアップル社の広告が掲載され話題を呼んだ。同広告と記事これを見つけた読者が「無神経だ」などとツイッターで伝えると非難の声がたちまち広がる事態に発展。同紙はとんだハプニングに、「不幸な偶然」と謝罪。アップル社も合意し同広告は即刻撤去された。

<テレビ朝日アメリカ 北清>