米娯楽・メディア企業大手ウォルト・ディズニーはこのほど2014年1-3月期の決算を発表。映画部門が放った『Frozen(邦題:アナと雪の女王)』が驚異的なヒット作になったことなどが寄与し、純利益は同27%増の19億2000万㌦と市場の予測を上回った。四半期ベースではこれまでの最高額を記録。売上高は前年同期比10.4%増の116億5000万㌦だった。
アナと雪の女王の興行収入は世界市場も含め11億8000万㌦超。米ビジネス専門局CNBCによれば、アニメ作品としては史上最高の売上となった。ちなみに、業界誌バラエティーによれば海外市場の興行収入は7億7000万㌦。また、同映画のサウンドトラック・アルバムは米国だけでも250万枚が売れた模様。
アナに加え、マーベル・コミックの作品を原作とした映画『Thor: The Dark World(邦題:マイティ・ソー/ダーク・ワールド) 』 のDVD版やデジタル版販売も大きく貢献、映画部門の売上高は、前年同期比35%増となる18億㌦に達した。市場関係者は、「09年に決行したマーベル・エンターテイメント社の買収(40億㌦)や06年に完全子会社化したピクサー・アニメーション・スタジオ(アナの制作に大きく貢献)が今回の業績に大きく寄与した」と評価している。
映画部門と並んで好調だったのが、地上波テレビABCネットワークやケーブル局群を抱えるグループ主力のメディア・ネットワーク部門。売上高は前年同期比4%増の51億3000万㌦。同部門の売上高はグループ全体の40%を占めている。プライムタイム番組の視聴率が苦戦し、広告収入が減ったABCネットワークの売上高はほぼ横ばいの15億㌦だったが、ケーブル局が健闘し5%増となる36億3000万㌦を計上した。ケーブル局群の中で、突出しているのがスポーツ専門局「ESPN」。経済誌「フォーブス」によれば、ESPNはディズニー社の企業価値3割に至るまでの存在になっている。
メディア・ネットワーク部門につぐ稼ぎ頭なのがテーマパーク・リゾート部門。ディズニーワールドなどの入園者が増えたうえ、売店などの売上が増大し、同部門の売上高は前年同期比8%増となる35億6000万㌦に達した。海外のテーマパークを見ると、パリ・ディズニーランドが不調だったが、香港が好調で埋め合わせた形となった。
ミッキーやミニに加え番組キャラクター商品などを扱う消費者向け商品部門の売上高は日本での売上も大きく貢献し、前年同期比16%増となる8億8500万㌦を記録した。