米ケーブル局「ターナー」や映画会社「ワーナー・ブラザース」などを傘下に置く米メディア企業大手「タイムワーナー」が2014年1-3月期の決算を発表した。ワーナー・ブラザースが公開した映画『Lego Movie(邦題:レゴムービー)』が大ヒットしたことなどから、純利益は前年同期比71.4%増と、市場予測を上回る約12億9000万㌦を記録した。売上高は同9%増の約75億㌦と増収増益となった。同社では出版部門「タイム・インク」を今年4-6月期中に分離する予定。タイム・インクを除外すれば売上高は9.6%増の68億㌦となる。
主力の映画部門は、レゴムービーに加え、『300 : Rise of an Empire(邦題:300<スリーハンドレッド>~帝国の進撃~)』などの興行成績が好調。13年暮れに公開されたSFサスペンス映画『ゼロ・グラビティ』などが同期中にアカデミー賞候補になるなど活気があふれている。売上高は前年同期比14%増となる31億㌦を記録。
多数のケーブル局を傘下に置くターナー部門は、特に全米大学体育協会(NCAA)主催のバスケットボール試合中継番組が大人気を博したことが牽引力となり、同部門の売上高は5%増26億㌦となった。不振続きだったCNNも同期中に発生したマレーシア航空機不明報道などで高視聴率を獲得、広告収入の増大につながった。
また、米国で最も人気のある優良チャンネル「HBO」は、安定した人気を誇る成人向けファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』が大きく寄与し、売上高は9%増13億㌦。タイムはほぼ横ばいの7億4500万㌦だった。
一方、若者に人気の「コメディー・セントラル」や「MTV」、さらには子供向けの「ニコロデオン」など有力ケーブル局・グループなどを傘下に置くバイアコムの同期の売上高は、1%増の31億7000万㌦だった。映画部門(パラマウント映画)の不振を高視聴率を獲得したケーブル局がカバーするかたちで、かろうじて増収になった。ケーブル局を配下に置くメディア・ネットワーク部門の売上高は前年同期比6%増となる23億7500万㌦。
足を引っ張ったのが映画・エンターテイメント部門。売上高は同12%減となる8億3100万㌦に終わった。
バイアコムの社長兼最高経営責任者(CEO)のフィリップ・ダウマン氏は決算報告あたり、今夏、 SFアクション映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』やニンジャ・タートルの新作が封切られることを紹介、映画部門の巻き返しを誓った。