米地上波テレビ3大ネットワークが毎晩放送する(18:30-19:00)全国向けのニュース番組の視聴率競争に異変が起きた。米テレビ界でスイープと呼ばれる視聴率特別調査期間の5月の部のデータを分析したニールセン社によれば、ABCネットワークの『World News With Diane Sawyer』(以下、ワールド・ニュース)が広告主が報道番組でターゲットにしている25-54歳層でトップに躍り出たのだ。同ネットワークにとって7年ぶりの快挙となった。
同番組はダイアン・ソーヤーさんがメインキャスターを務めているが、女性が単独でキャスターを務める夕方のニュース番組がスイープという重要月で視聴率トップになったのは米テレビ史上初めてのことだという(バラエティー誌)。
ワールド・ニュースの同月における同層視聴率は前年同月比10%増となる2.014%。同層視聴率競争の常勝番組NBCネットワークの『NBC Nightly News With Brian Williams』(以下、ナイトリー・ニュース)は逆に前年同月比7%マイナスとなる1.972%で2位に転落した。ここのところ、万年3位に甘んじているCBSネットワークの『CBS Evening News With Scott Pelley』(以下、イブニング・ニュース)はほぼ横ばい(-1%)の1.563%に留まった。
ただ、世帯視聴者数のカテゴリーでは、ナイトリー・ニュースが同6%増となる平均843万人を獲得、首位の座を守った。これにワールド・ニュースが同6%増767万人で2位につけた。イブニング・ニュースは同5%増647万人。同番組としては8年ぶりの最多視聴者数を獲得したものの相変わらず3位に終わった。
3大ネットワークを合わせた平均視聴者数は2257万人と、前年同月比の2135万人から6%増えた。
一方、ニュース専門局の5月における視聴率は散々なものだった。地上波テレビネットワークがシーズン終了ということもあって人気番組の最終回が目白押しだったことや、大事件や事故が起こらなかったことも要因となった。
特に悲惨だったのがCNN。行方不明となったマレーシア航空機のようなブレーキング・ニュースがなかったことで、プライムタイム視聴率は、Foxニュース・チャンネル、MSNBC、そして姉妹局のHLNにつぐ4位という成績に甘んじた。特に夜9時台の番組の平均視聴者数が35万7000人と、開局以来最悪の記録となった。Foxも不調で、広告主が重視する25-54歳層の平均視聴者数は26万4000人に終わった。30万人を割ったのは13年ぶりのこと。
ニュース専門局全体の全日平均視聴者数は17万7000人(25-54歳層)だった。