W杯サッカー開幕戦、過去最高の視聴率

サッカーの第20回ワールドカップ(W杯)ブラジル大会が12日、サンパウロで開幕した。開催国ブラジルがクロアチアと対戦した開幕戦の模様は、米国内では英語放送の独占放送権を握るウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門局「ESPN」が、スペイン語放送では同独占放映権を保有する「ユニビジョン」がそれぞれ生中継。(優勝決定戦は、ESPNの姉妹局、地上波テレビのABCネットワークが放送予定)。ニールセンの速報によれば、ESPNの平均視聴率は3.2%2010年に開催された前回南ア大会時の開幕戦視聴率を52%も上回る好記録となった。その後16日に行われた米国とガーナの試合中継(ESPN)は平均視聴者数1110万人を獲得。ESPNW杯放送中過去最高記録を樹立した。

米国でのサッカー人気は、4大スポーツといわれる、アメリカン・フットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケーの陰に隠れる存在だが、近年人気がじわじわと上昇中。前回10年南ア大会では試合の模様をESPNとユニビジョン合わせ少なくとも6分間見たひとの数が11160万人(ニールセン社推定)に達し、06年ドイツ大会の9140万人を大きく上回ったことが伝えられている。南ア大会優勝決定戦(スペイン対オランダ)には平均2410万人の視聴者がESPNとユニビジョンにチャンネルを合わせた。

米国ではサッカー人気が極めて高い中南米出身(スペイン語が母国語)のグループ「ヒスパニック」人口が急増中ということもあるが、スポーツ人気に押されて続々登場しているスポーツ専門局がサッカー番組を増やしていることも人気を後押ししている。ESPNの調べでは自称サッカーファンは全体の41%にまで増えているほか、アルゼンチン代表のスーパースター、リオネル・メッシ選手はスポーツ選手人気番付で7位に食い込んでいるという。

そんな人気ぶりに広告主も注目。ニールセンによれば、2010年にサッカー番組に投入された広告費は26500万㌦だったが、13年には一気に43%増となる37800万㌦に達した模様。今年はESPNもユニビジョンもW杯番組CM枠がほぼ完売という盛況ぶり。両社とも黒字経営間違いない状況だという。

 ところで、米国のW 杯放映権は次回から22年までESPNにかわり21世紀フォックス社が、スペイン語放送はユニビジョンにかわり、NBCユニバーサル傘下の「テレムンド」が勝ち取った。権料はFoxESPN4倍となる4億㌦、テレムンドがユニビジョンの約倍額となる6億㌦で落札したことが伝えられている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>