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米国では絵本がわりにタブレット型多機能携帯端末(以下、タブレット)などを子供に与える保護者が増えている。そしてタブレットをはじめパソコンやビデオ・ゲーム機なども自由に操る幼児や学童は“デジタル・キッズ”と呼ばれ、テレビを見ない生活者の予備軍と懸念するテレビ事業者も少なくない。ところが、これらデジタル・ディバイスを躊躇なく手にするデジタル・キッズもテレビファンに変わりないことが確認された。
米調査会社eMarketer(イーマーケター)によれば、デジタル・キッズによる様々なメディア利用時間の中で圧倒的に多いのがテレビ視聴であることが分かった。イーマーケターでは、「デジタル・キッズが意外にもアナログ愛好者」であることが浮き彫りになったと結論付けている。相変わらずテレビ視聴が多いのは、タブレットやゲーム機などの使用は保護者が利用内容に制限を加えるケースが多いことを指摘する向きもある。
同調査によれば、2-4歳児が月間当たりに費やすテレビ視聴時間は1時間20分(2013年7月)。5-7歳が1時間18分、8-10歳では1時間24分で、デジタル・キッズ全体では1時間21分だった。これに対し、タブレットなどのデジタル・ディバイス利用時間(月間)は、デジタル・キッズ全体で14分に留まっている。ちなみに、ビデオ・ゲーム機の利用時間は同17分、コンピューターは14分と、テレビ視聴時間に大きく水をあけられている。双方向性が楽しめるデジタル・メディアよりも、アニメ番組などが豊富にそろっているテレビの誘惑には勝てないといったところだろうか。
ただ、デジタル・キッズのテレビ視聴は確実に侵食され始めていることを指摘するデータもある。メディアが子供や家族に与える影響などを研究する非営利団体「Common Sense Media(コモンセンス・メディア)」は、日常的にテレビ視聴する子供が2011年には全体の65%を占めていたものが、13年には58%に減少。DVDを使ってビデオ画像を見ていた子供が同25%から18%に減っているのに対し、デジタル・ディバイスを使う子供が8%から17%とほぼ倍増していることを強調している。
インターネット上の番組配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」などの普及で、子供番組をデジタル・ディバイスなどを使ってオンデマンド視聴させる保護者が増えてきていることも大きな要因となっているようだ。