米娯楽・メディア大手のウォルト・ディズニーが2014年4-6月期の決算を発表した。傘下の映画部門、特にマーベルコミックス系の映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』が大ヒットしたことなどが貢献し、純利益は市場の予想を上回る前年同期比22%増の22億5000万㌦。売上高も8%増の124億7000万㌦となり、増収増益となった。
部門別で見ると、基幹ビジネスの「メディア・ネットワーク」部門の売上高は、前年比3%増の55億1100万㌦。営業利益は前年同期比横ばいの22億9600万㌦。地上波テレビABCネットワークや直営局がペイテレビ事業者(CATV、衛星放送、電話会社)から得た再送信料やプライムタイム番組『Marvel’s Agents of S.H.I.E.L.D』の番組販売などが好調だったため、同セグメントの営業利益は同66%増となる3億5400万㌦を記録した。売上高は同7%増15億6900万㌦。
稼ぎ頭的な存在のケーブル局群は、スポーツ専門チャンネル「ESPN」がサッカー・ワールドカップ・ブラジル大会の米国内独占放送が記録的な視聴率を獲得。それに伴う広告収入が好調だったものの、同局が支払った様々な放映権料が嵩み営業利益は同7%減となる19億4200万㌦だった。売上高は1%増39億4200万㌦。
「メディア・ネットワーク」についで売上高が多かったのが「パークス&リゾート」部門。来場者が増えたことやテーマパーク内のレストランやギフト・ショップ販売などが貢献し、売上高は前年同期比8%増となる39億8000万㌦に達した。営業利益は同23%増8億4800万㌦と大幅に増えた。
絶好調だった映画部門を抱える「スタジオ・エンターテイメント」部門の売上高は前年同期比14%増と二桁台成長を示し18億700万㌦となった。営業利益は前年比倍額となる4億1100万㌦を記録。世界市場における興行収入が7億1360万㌦に達したキャプテン・アメリカのほか、世界的なヒット作となったアニメ映画『アナと雪の女王』の日本における興行成績も大きく寄与したことが特筆される。
キャラクター商品などを手掛ける「コンスーマー・プロダクト」(商品事業)部門の売上高は前年同期比16%増となる9億200万㌦。営業利益は同25%増にもなる2億7300万㌦に達した。『アナ』関連グッズとDVD販売、そしてケーブル局ディズニー・チャンネルで放送されている番組関連商品の売上が好調だった。
日本での携帯電話ビジネスが支えた「インタラクティブ」部門の売上高は同45%増2億6600万㌦だった。