“米国で最も見られているテレビ”を看板にしている地上波テレビCBSネットワークを傘下に置く米メディア企業大手CBSコーポレーションが2014年4-6月期の決算を発表した。売上高はCBSネットワークのプライムタイム番組の視聴率低調を受け広告収入が減少したことなどが影響し、前年同期比5.4%増減少となる31億9000万㌦となった。純利益も同3.9%減少の4億1800万㌦と、減収減益を記録した。
同社の稼ぎ頭で、CBSネットワークなどを含む「エンターテイメント」部門の売上高は前年同期比8.5%落ち込む18億㌦4000万㌦だった。ペイテレビ事業者からの再送信料収入が同6.7%増と好調だったが、CBSネットワークの広告収入減収が痛手となった。同期に主だったスポーツ・イベント中継番組がなかったことも大きく響いた。
有料チャンネル「Showtime」やスポーツ専門局「CBS Sports Network」などを傘下に置く「Cable Networks」部門の売上高は、番組販売などが不振だったことから前年同期比0.4%減5億1600万㌦だった。「サイモン&シャスター」からなる出版部門は、複数のベストセラーに恵まれ、売上高は同11.6%増となる2億1100万㌦となった。直営局やラジオ局を傘下に置く「ローカル・ブロードキャスティング」部門の売上高は広告収入の減退で前年同期比4.7%減となる6億6500万㌦に終わった。
一方、2006年にCBSコーポレーションを分離した姉妹会社で、若者向けケーブル局MTVや映画会社などを傘下に置くバイアコムの売上高は、ケーブル局群が健闘したものの、映画部門の業績が芳しくなく、全体の売上高は前年同期比7%減となる34億2000万㌦となった。純利益も同6%減6億4700万㌦で、減収減益だった。
MTVを始めコメディー・セントラルなど人気ケーブル局グループを傘下に置く「メディア・ネットワーク」部門の売上高は、広告収入が米国内で1%、海外市場で2%増とあまり芳しくなかったため前年同期比1%増となる25億9000万㌦となった。ペイテレビからの配信料収入は好調だったが、前年同期に寄与した番組のデジタル配信販売が低迷したことが足を引っ張った格好だ。
映画部門(パラマウント映画)は、大ヒット作になっている『トランスフォーマー/ロストエイジ』が同期末日に封切られたため同期決算に含まれなかったため、売上高は26%減少し8億5600万㌦に留まった。同社が封切る作品数が極端に少ないことから、「グループ全体に貢献できる部門になれないでいる」などの批判も出ている。