米テレビ界の新シーズン(2014-15年シーズン)が9月中旬から順次始まった。地上波テレビ4大ネットワークを見ると今シーズンからデビューしたドラマやコメディー番組、さらにはベテラン・リアリティー番組が集中した22日のプライムタイム(午後8-11時)枠がそれぞれ高視聴率を記録した。特定の視聴者に的を絞ったケーブル局やインターネット上の番組配信サービスなどに押され気味の地上波テレビだが、同夜の結果を見る限りその底力を見せつけた格好だ。
同夜お目見えした新番組はFoxネットワークの話題作で、映画「バットマン」の前日譚を描く『Gotham(ゴッサム)』(午後8-9時)と自らコンピューターの天才を名乗る主人公が世界の危機に立ち向かむドラ『Scorpion(スコーピオン)』(CBSネットワーク、午後9-10時)の2作。ここのところプライムタイム不振にあえぐFoxが総力を挙げてデビューさせたゴッサムは、ニールセン社の速報によれば広告主が重要視する視聴者(18-49歳)層の視聴率3.9%、総世帯視聴者数800万人を獲得、同社にとって久方ぶりに脚光を浴びるがプライムタイム番組の登場となった。
ゴッサムに並ぶ前宣伝活動を展開したCBSのスコーピオンも、直前に放送された人気番組の吸引力のおかげもあって、同層視聴率3.3%、総世帯視聴者数1400万人を獲得、すこぶる順調な船出となった。
そして、カムバック組も健闘した。今やコメディーナンバーワン番組の座を揺るぎないものにしているCBSの『ビッグ★バンセオリー/ギークなボクらの恋愛放送(邦題)』(第8シーリズ)の拡大版(午後8-9時)の視聴率は前半30分が同層5.3%、視聴者数1780万人、後半が同5.4%、1800万人を獲得した。新作や話題作が目白押しとなった同夜プライムタイムの中にあって前シーズン比ほぼ横ばいをキープ。同夜の視聴率王となり貫禄をアピールした。
また、米オーディション番組の人気ナンバーワン番組『ヴォイス』(NBC、午後8-9時)も第7シリーズがこの日にスタート、視聴率は同3.9%、視聴者数1270万人と危なげないスタートを切った。
ニールセンによれば、同夜、4大ネットワークにチャンネルを合わせた人は18-49歳層の43%、25-54歳層では45%に上り、絶好の新シーズン開幕となった。デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)などを使った追っかけ視聴数も相当数に上ると見られ、各社大きな期待を寄せている。