9月から始まった米テレビ界新シーズンで放送される番組のCM(コマーシャル)料金状況が明らかになってきた。米広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」によれば、最高額のCM料金が取引されているのは地上波テレビNBCネットワークが毎週日曜日夜に放送するNFL(米プロフットボール・リーグ)主催の試合中継番組『サンデーナイト・フットボール』(SNF)。30秒スポットの値段は推定平均62万7300㌦。
CBSネットワークが今シーズンのみに限って放映権を獲得した木曜夜のNFL番組『サースデーナイト・フットボール』(TNF)は同平均48万3333㌦で売買されている模様。スポーツ専門局「ESPN」が月曜日夜に放送する『マンデーナイト・フットボール』(MNF)の30秒CMにも約40万㌦の値がついているという。
米国ではデジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)などを使った追っかけ視聴が普及しているが、スポンサーにとって、録画視聴されやすい番組はCMの飛ばし視聴が伴うとあって敬遠の対象になりやすい。それに対し人気があるのが生番組。中でもスポーツ番組は最もDVR視聴されにくい番組とあって人気があるが、特にNFL番組が圧倒的な強さを見せつけていることがCM料金にあらわれた格好だ。
スポーツ番組以外で最も高額なCM料金を勝ち取っているのがドラマ専門局「AMC」の人気番組『ザ・ウォーキング・デット』で30秒スポット料金は約40万㌦と、MNFなみの高額料金となっている。地上波テレビが放送するドラマやコメディー番組を上回っていることが特筆される。同番組は、ゾンビ(死んだ人間)がはびこるアメリカを舞台に生存者たちがゾンビと戦いながら安住の地を求めている姿を描くホラー・ドラマ。広告主が最重要視する視聴者層(18-49歳)で視聴率ナンバーワン番組にランクされている。
エンターテイメント系番組の中で最高額のCM料金がついているのがCBSのコメディー『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則(邦題)』で同34万4827㌦。地上波テレビのドラマ番組の最高峰についたのはNBCのサスペンスドラマ『ブラック・リスト』で同28万2975㌦。今シーズンから始まったルーキー番組で最高額のCM料金がついたのは、女性国務長官を主人公にした『ステート・オブ・アフェアーズ』(NBC)の21万9188㌦だった。NBCはオーディション番組『ヴォイス』(月曜版)が27万4157㌦となったほか、トップ10中5番組を独占している。