Netflix、増収増益も株価下落

米国のテレビ番組や映画のストリーミング配信最大手「Netflix(ネットフリックス)」(本社=カリフォルニア州ロスガトス)がこのほど発表した201479月期決算は、前年同期比増収増益となったが新規加入者数が予想を下回ったため、発表を受け株価は一時26%以上も下回った。

同期売上高は前年同期比27% 増となる14900万㌦。純利益は同86%増となる約5930万㌦だった。

同期に獲得した米国における新規加入者数は約98万人。同社が見込んでいた133万人を大幅に下回った。同社によれば、今年4月、新規加入者向けの月額料金を1㌦アップとなる8.99㌦に改定したことが主な要因となっているという。また海外の新規加入者も204万人と、同社予想の236万人に及ばなかった。

同社CEO(最高経営責任者)リード・ヘイスティングス氏は、株主への声明の中で、「前期では新規加入者数を少な目に見積もったが、今期は多めに予測したようだ。ただ、今後も加入者数は上昇カーブを描いていくという我々の考え方に何らの変更もない」と強気の姿勢を示した。

同期末の総加入者数は5310万人。このうち米国内加入者は3722万人。ネットフリックスでは141012月期の世界市場における新規加入者数を400万人、総加入者数は5700万人を超えると見込んでいる。同社サービスはストリーミング配信事業が売上全体の85%を占める屋台骨になっているが、米国加入者数にはオンラインDVDレンタル加入者も含まれる。

ネットフリックスはいずれは飽和状態となる米国内市場を見越して海外市場展開を積極的に展開する予定。ヘイスティング氏は、「すべての利益を海外進出費用に投入するつもりだ」と、明言している。今夏、新たにドイツやフランスなどでサービスを立ち上げ、現在、世界50か国でネットフリック加入が可能になった。そして、同社が世界戦略を進める上で欠かせないのがアジア市場。同社のコンテンツ調達などを一手に仕切るテッド・サランドス氏はこのほど、フランスのカンヌで開かれた世界最大級の映像コンテンツ見本市「MIPCOM」に出席した際に、「ネットフリックスが進出していない唯一の市場がアジアだ。我々のゴールは世界企業になること。(アジアに進出するのは)時間の問題だ」と発言している。

同社ではインターネット上のサイトを使って様々な言語に堪能な人材を募集しているが、アジアではベトナム語、韓国語に加え日本語もリストに載っている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>