米CATV最大手で、メディア娯楽企業NBCユニバーサル(NBCU)も傘下に置くコムキャストはこのほど、2014年7-9月期の決算を発表。CATV部門が提供するブロードバンド通信サービスの新規加入者数が大幅に増えたことやNBCU部門の広告収入が好調だったことなどから、純利益が前年同期比49.7%となる25億9200万㌦を記録した。売上高は同4%増の167億9100万㌦で、増収増益だった。
CATV部門で最も活況を呈したのがブロードバンド通信サービス。同期、31万5000軒の新規加入者を獲得、加入者総数は2160万人となった。動画配信サービス人気がブロードバンド加入に拍車をかけているという。同サービスの売上高は前年同期比9.6%増となる28億4000万㌦。
また、企業向けブロードバンドや電話サービスなども好調だった。加入数が増え、売上高は前年同期比21%増となる10億1100万㌦。ビジネス向けサービスは今後も成長株として期待されている。
一方、相変わらず解約傾向に歯止めが掛からないのが地上波テレビ局の再送信やケーブル局の配信などにあたる映像配信サービス。前年(12万7000軒減)ほどではないが、81,000軒を失い、加入者総数は2240万軒となった。売上高は加入料値上げなどが寄与し、1%増51億7900万㌦だった。同社はブロードバンド加入者数が映像配信を超える日が近いと見ている。
CATV部門全体の売上高は前年同期比5.2%増となる110億4100万㌦に達した。
NBCUを見ると、これまで牽引力となってきたケーブル局群人気に陰りが見える。視聴率低迷のため広告収入が4.6%減少したが、配信料収入(5.1%増)が支え、売上高はほぼ横ばいとなる0.7%増22億5500万㌦となった。
元気だったのが地上波テレビNBCネットワーク。NFL(米プロフットボール協会)試合中継番組や、今や同ネットワークの看板ドラマ番組になった『ブラックリスト』(大型サスペンス)などを含むプライムタイム番組が好調で売上高は前年同期比7.7%増の17億7000万㌦と貢献した。
また、テーマパーク部門も健闘した。フロリダ州でオープンした“ハリー・ポッター”テーマパークに来場者が殺到。売上高は同18.7%増となる7億8600万㌦を記録した。
逆に不調だったのが、映画部門。前年同期に封切られヒット作となったアニメ映画『怪盗グルーのミニオン危機一発(邦題)』に見合う作品がなかったことなどが大きく響き、売上高は15.2%減となる11億8600万㌦に留まった。なお、NBCU全体の売上高は前年同期比1.2%の微増となる59億2100万㌦だった。