米人気スポーツ局が有料サイト拡充に意欲


米人気スポーツ局ESPNが、傘下の有料動画配信サイト「ESPN360.com」 のてこ入れを始めた。同サイトは、アメフトなど人気スポーツの試合を生配信したり、様々なスポーツ・イベントの動画配信をしている。通信会社大手ベライゾ ンなどのブロードバンド・サービスに加入している世帯に限って視聴できるサイトで、間接的な有料サイト。テレビ番組の無料配信が主流の米国で、希少な有料 サイトだ。加入数に基づいて、ベライゾンなどプロバイダー側がESPNに一定の料金を払う仕組みで、ケーブルテレビ(CATV)会社とケーブル局の関係を モデルにしている。


現在、同サイトへのアクセス可能世帯数は5000万軒。加入世帯数は徐々に広がりを見せているという。昨年9月に配信した大学フットボール試合「南カリ フォルニア大学(USC)対オハイオ州立大学」の模様は、91,000人が視聴したという。しかし、ケーブル局ESPNの視聴者数には、遠く及ばない数 で、ESPNではさらなる視聴者獲得のために、テレビ番組配給会社やインターネット・プロバイダーなどとの話し合いを始めた模様だ。


ESPNの営業・マーケティング担当責任者、ショーン・ブラチズ氏は、ウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、「ESPN360の人気が上 がればESPNの将来に大きく寄与することになる。ESPNがテレビで、ESPN360がインターネット・サイトなどと差別化することはせず、双方(同等 な)ネットワークとして扱っていく」と豊富を語っている。


CATV事業者の中には、ESPN360がさらなる普及を遂げれば、事業の中核を占めている番組送信サービスが侵食される恐れがあると危惧する向きも少な くないが、ブラチズ氏は、ESPNにとってCATVから得る送信料が重要な収入源になっていることを強調。「ESPN360は付加的サービスと位置けてい る」としている。


同サイトは4月に「ESPN3.com」と名前を変更、大リーグ伝統のニューヨーク・ヤンキース対ボストン・レッドソックスの開幕試合を生中継配信する予定だ。