全米注目のケーリーちゃん事件 裁判詳報⑨

<公判33日目(7/1)~35日目(7/4)>

公判34日目 検察官に責め立てられたケーシー被告が泣き崩れる場面も。


【事件の概要】

 事件の発覚は、20087月。フロリダ州オーランドで当時2歳のケーリー・アンソニーちゃんが行方不明になったというケーリーちゃんの祖母からの通報がきっかけだった。祖母によるとケーリーちゃんの姿が見えなくなったのは通報の1ヶ月前の6月。通報から3ヶ月。検察は、ケーリーちゃんの母親ケーシー被告(25)を殺人罪などで起訴した。2ヵ月後の200812月、ケーリーちゃんの遺体は、自宅近くの森の中から見つかった。検察側の宣誓供述書作成などに時間がかかり、裁判の開始は事件発覚から2年半が経った今年5月までずれ込んでいた。事件がこれまでに大きく報道されたことから、陪審員は別の郡から選ばれた。



<公判33日目 71日(金)>

 前の日までに弁護側の証言をすべて終え、この日行われたのは検察側による「反証」

母シンディが働いていた会社の関係者や法医学者らが、弁護側証言に対する反論を述べた。

 

2日(土)の休廷が決定。3日(日)に最終弁論が行われることになった。

 

 

<公判34日目 73日(日)>

 午後から始まったこの日の公判で、検察・弁護双方の最終弁論が行われた。

検察官に「ボーイフレンドと一緒に過ごすのに邪魔になった娘を殺した」、「大嘘つき」などと責め立てられたケーシー被告が泣き崩れる場面も。

弁護士は、検察側が十分な証拠を提示できていないことを強調した。

 

<公判35日目 74日(月)>

 この日はまず、前日の弁護側の最終弁論に対する、検察の最終「反論」が行われた。

続いて裁判官が、陪審評議に関する説明・注意事項などを伝えて結審。

12人の陪審員(公判に参加していたのは全部で17人だが、うち5人は交代要員。交代要員は評議に参加せず)は別室に移動し、この日のお昼過ぎに評議を開始した。

評議は12人全員の同意が得られるまで行われ、「有罪」か「無罪」かを決める。(⇒評決) 評議は数時間で終わる場合もあれば、数日かかる場合もある。

 

ケーシー被告に対する罪状は、第一級殺人(first degree murder)のほか、過失致死(manslaughter)、幼児虐待(child abuse)、そして偽証罪(lying to law enforcement)

 

 

<NY支局 山田久>