「無実だとは言っていない」

アメリカ・フロリダ州で当時2歳の長女を殺害した罪などに

問われた母親に対する裁判で、無罪の評決を下した陪審員が「無実だとは言っていない」と胸中を語りました。

 

 ケーシー・アンソニー被告(25)は3年前に当時2歳の長女ケーリーちゃんを殺害し、自宅近くの森に捨てた罪などに問われました。5日の裁判で12人の陪審員は無罪の評決を言い渡しました。評決から一夜明けて、陪審員の1人で看護学校生徒のジェニファー・フォードさん(32)は、アメリカABCに対し、評決について胸中を語りました。まず、ほかの陪審員について「誠実で素晴らしい人達だった。倫理観も高く、まるで従兄弟同士のように仲が良かった」と賞賛しました。

 

 そして、評決の理由については「彼女が無実だとは言っていない」「十分な証拠がなかったということに尽きる」「どんな犯行だったのかを証明できなければ、どんな罰を下すべきかも決められない」として、証拠不十分が無罪判断の理由だった事を明らかにしました。

 

 さらに、評決直後の気分については、「評決については皆、気分が悪くなっていた、女性だけじゃなくみんな泣いていました」 アンソニー被告は唯一、捜査員に嘘の供述をした罪で有罪の評決を受けました。現地時間7日午前9時から判事による量刑の言い渡しが予定されていますが、早ければ言い渡し後すぐに釈放される可能性もあります。アメリカでは、無罪評決に対しては検査側が控訴することが出来ません。

 

 <NY支局 山野孝之>