全米注目のケーリーちゃん事件 裁判詳報③

連日、アメリカのメディアが大きく報道している「ケーリーちゃん事件」の裁判の続報です。

公判26日目(6/23)は、ケーシー被告の母親が初めて弁護側の証人として証言しました。

【事件の概要】

 事件の発覚は、20087月。フロリダ州オーランドで当時2歳のケーリー・アンソニーちゃんが行方不明になったというケーリーちゃんの祖母からの通報がきっかけだった。祖母によるとケーリーちゃんの姿が見えなくなったのは通報の1ヶ月前の6月。通報から3ヶ月。検察は、ケーリーちゃんの母親ケーシー被告(25)を殺人罪などで起訴した。2ヵ月後の200812月、ケーリーちゃんの遺体は、自宅近くの森の中から見つかった。検察側の宣誓供述書作成などに時間がかかり、裁判の開始は事件発覚から2年半が経った今年5月までずれ込んでいた。事件がこれまでに大きく報道されたことから、陪審員は別の郡から選ばれた。



<公判26日目 6月23日(木)>
 この日は、ケーシー被告の母親が初めて弁護側の証人として証言した。(過去2回検察側の証人として出廷している)
 
<母親シンディ・アンソニーの証言>
・「クロロフォルム」というキーワードを自宅のコンピュータで検索したのは私。
⇒飼っていた犬が外で食べてしまったもので心配なことがあって「クロロフィル(葉緑素)」を検索、その後「クロロフォルム」も検索した。
  注: 検察側はこれまで、ケーシー被告本人が「殺害時に使用した」クロロフォルムについて事前に調べるため、ネットで「クロロフォルムの作り方」を検索したと主張している
・他に履歴で残っていた「自己防衛」「日用品を使った武器」「ショベル」という言葉は、私が検索したものではない。
・「首を折る」というキーワードは、自動車事故で大ケガをした友人のための情報を探しているときに、もしかしたら使用したかも知れない。
・(検察による反対尋問で、問題のネット検索が行われた日時には仕事場にいたはずだと突っ込まれて)その日私は早く帰宅した。仕事場の退社記録は間違いで、この時間に私は家にいたと思う。
・車のトランクにあったシミは車を買ったときから付いている。(検察は、遺体が腐敗する際に出る液体でシミが付いたと主張)
 
<FBI 毛髪・繊維分析官の証言>
この分析官は以前(6月4日)、検察側の証人としても証言に立ったことがある。
その際、「車のトランクから採取されたケーリーちゃんの毛髪には、死亡したあと抜け落ちたときにだけ現れるバンディング(縞模様)と似た模様が出ている」と証言している。
その証言に「確実性」がないことを強調するため、この日弁護士は敢えて同一人物を証言台に立たせた。
証人はスライド写真を見せながら、生きているときに抜け落ちた毛髪にも、似たような模様が出る場合があることを認めた。

<NY支局 山田久>